2007 Balanced Scorecard Asia Pacific Summit - 30-31 October 2007, Westin Tokyo, Japan

プログラム

サミット第1日 - 2007年10月30日

7:30 受付

9:00 歓迎と開会の辞

パラディウム・グループ
アジア太平洋地区マネージング・ディレクター
Matthew Tice氏

 

9:15 セッション1 「戦略実行ギャップを埋める」

最近の調査によれば、戦略実行が、今日、企業トップの最大の関心事となっています。実際、戦略実行を正式に導入している企業は、未導入の企業に比べ、大変良好な業績を達成しています。それでは、戦略実行の中核能力は、どのように開発、維持すればよいのでしょうか。Kaplan博士は、そのために必要な主要プロセスやリソースを通して、戦略を実践に結びつける統合モデルをご紹介します。

ハーバード・ビジネス・スクール
ベーカー・ファウンデーション教授
Robert S. Kaplan博士

 

10:30 コーヒー・ブレーク

10:50 セッション2 「戦略管理プロセスを改革する」

三菱東京UFJ銀行は、本社を東京に置き、国内900店舗、海外100支店、全世界で34,000名の従業員を擁する世界でも最大級の金融機関です。同行は、戦略実行に関し、初の殿堂入りを達成した日本企業であり、本日は、バランスト・スコアカードを応用し、戦略管理と実績評価のための統合戦略管理システムを、全行で用いるツールとして開発した経緯などについて伺います。

三菱東京UFJ銀行
頭取
畔柳 信雄氏

 

11:20 セッション3 「新たな管理方法」

戦略を成功裏に管理するためには、職能を超えた調整や対話が必要とされますが、これは、いわゆる管理機能とは異なるものです。従来型の組織構造やプロセス、構成は、ビジネス・ユニットの孤立を助長し、この摩擦が、企業戦略実行が失敗する重大な要因となっています。Kaplan博士は、戦略管理プロセスを推進、調整、統合するにあたって用いられる戦略テーマ別管理、課題をベースとした戦略検討会議、「テーマ・チーム」の設置、戦略管理オフィサーの役割などについて検討します。また、プロフィット・センター、コスト・センター概念の崩壊についても触れる予定です。どのようなビジネス・ユニットであっても、戦略の効果的な実行に寄与できれば、利益に貢献する機会があるからです。

ハーバード・ビジネス・スクール
ベーカー・ファウンデーション教授
Robert S. Kaplan博士

 

12:50 ランチ

1:50 セッション4 「調整と変革管理における改革」

日本ベーリンガーインゲルハイムは、ドイツに本拠をおくベーリンガーインゲルハイムの日本法人です。ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開していない研究主導型の製薬企業で、グローバルに活動を展開しており、従業員数37,000名以上、売上高100億ユーロ以上を誇っています。日本ベーリンガーインゲルハイムは、45年以上前から日本で企業活動を行っており、その革新的な医薬品とモチベーションの高い組織の力で、過去二年間連続して日本で最も成長率の高い製薬企業となりました。2007年度の業績も好調に推移しています。
今回のケーススタディでは、同社がバランスト・スコアカードと戦略志向の組織の手法を厳格に実践して成功し、「顧客の期待を上回る」というビジョンをいかに実現してきたかについて学ぶことができます。同社の革新的な変化のプロセスでは、全組織の調整を図るために「クロスチェック」や「クリエイティブ・ディスカッション」といった、シンプルかつ洗練されたアプローチの導入などがおこなわれています。本ケーススタディは見逃すことはできません。

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
執行役員
Richard Gerstenberg氏

 

2:35 セッション5
    「個と組織の戦略実行力をスパイラルに高める オンリーワン経営管理システムをめざして」

シャープ株式会社は、大阪に本社を置く、グループ従業員数56,000名、売上高3兆1277億円のエレクトロニクスメーカーです。液晶テレビなどの省エネ商品や、世界シェアNo.1を誇る太陽電池などの創エネ商品を社会に提供することによる温室効果ガスの削減量と、事業活動による温室効果ガスの排出量をイコールにすることをめざして、「2010年地球温暖化負荷ゼロ企業の実現」をビジョンに掲げています。独自技術に基づいたキーデバイスの開発とその応用商品を手がけることにより、世の中にない「オンリーワン商品・デバイス」を創出し、お客様に感動を与え、新たな市場を創造すべく積極的な事業活動を展開しています。
同社では、全社戦略の実現に向けて、各組織、個人のレベルまでベクトルを合わせて戦略を展開し、確実に実行していく仕組みとして、BSCをベースとした戦略的経営管理システム「eS-SEM」を構築し、専用のITシステムとあわせて、国内・海外の拠点に導入し、業績評価にも活用しています。推進における重要成功要因、今後に向けた課題についてご紹介します。

シャープ株式会社
経営企画室eS-SEM推進プロジェクトチームManager
六車智子氏

 

3:25 コーヒー・ブレーク

3:45 セッション6 「中国における組織全体の調整」

チャイナ・リソーシズ・ホールディングズ社は年商200億ドルのコングロマリットで、従業員は15万人を超えています。同社の子会社である華晶微電子有限公司(チャイナ・リソーシズ・マイクロエレクトロニクス社)は、年商10億香港ドルの電子メーカーであり、ICチップやディスクリート素子に注力しています。中国での業務を成功させることは、本当に困難な作業ですが、本セッションでは、同社がパイオニアとして、厳しい競争環境のもと、バランスト・スコアカードを用いて、企業レベル、戦略事業部門レベル、機能レベルでどのように戦略管理をおこなっているか、また、マトリクス組織の垂直的調整や水平的調整をいかに達成しているかについて見ることができます。さらに、どのようにすれば、バランスト・スコアカードのような斬新な管理手法を用いて価値を創造、維持し、中国において成功をおさめることができるかについてのヒントも得られることでしょう。

華潤集団有限公司(チャイナ・リソーシズ・ホールディングズ)
財務部副部長
Derek Cheng氏

 

4:30 休憩

5:15 戦略実行の殿堂入り表彰式

バランスト・スコアカードの殿堂は、世界中の企業などから、バランスト・スコアカードを模範的に用いて戦略志向の組織となり、戦略を成功裏に実行し、あるいは画期的な業績を達成した組織を公に評価するもので、Kaplan博士とNorton博士が認めるバランスト・スコアカード唯一の賞です。2007年度の受賞者を、アジア太平洋地区バランスト・スコアカードの殿堂に迎え入れる表彰式に、是非ご参加ください。本年度は、殿堂入りを果たされた組織に、Robert Kaplan博士が賞を授与します。表彰式は、ケース・スタディのセッションと並び、バランスト・スコアカードを適切に使用している組織から学ぶことのできる機会です。表彰式後にはカクテル・パーティが予定されています。

Robert Kaplan博士およびMatthew Tice氏による表彰

 

 

5:45 殿堂入り祝賀カクテル・パーティ

7:45 第1日閉会


サミット第2日 - 2007年10月31日

9:00 事務伝達と、第1日の概括

パラディウム・グループ
アジア太平洋地区マネージング・ディレクター
Matthew Tice氏

 

9:15 セッション1 「経験を通じて共同で価値を生み出す: プロセス設計と実績管理」

ビジネス・システムにおいては、価値創造のプロセスと基盤の民主化がすすみ、個人と組織の関係は、その性格を変えつつあります。個人は情報を得、互いに連絡を取り、ネットワークに参加し、個人間の交流や相互関与の経験が、企業価値創造の新しい基礎となりつつあります。したがって、個人の経験を通じて価値を共同創造する能力を築き上げることが、競争優位の新たな源泉となるのです。 業務プロセスは、共同創造(Experience Co-Creation)の提供や相互関与のコミュニティとの交流プラットフォームを通じ、広範なリソース・ネットワークを用いて、企業価値の共同創造を可能とし、また、そのための支援をおこない、個人および組織に、魅力的な価値経験をもたらさなければなりません。本セッションでは、日本や世界の会社が、経験の共同創造を通じて、次世代のプロセス設計と実績管理慣行を実践する方法について論じたいと思います。

ミシガン大学
経験マーケティング教授、共創センター(Center for Experience Co-Creation)理事
Venkat Ramaswamy博士

 

10:45 コーヒー・ブレーク

11:05 セッション2 「改革者のジレンマ: これは利益につながりますか」

企業を継続して維持、成長させるためには、改革が必須ですが、改革にどの程度のコストをかけるべきなのでしょうか。既存客や見込客に向けて、新たな価値を創造するために要するコストは、どのような場合、期待収益を上回るのでしょうか。Kaplan博士は、お客様単位、あるいは部門単位で、利益を伴う成長性を測定し、管理するための単純かつ強力な方法論についてお話します。

ハーバード・ビジネス・スクール
ベーカー・ファウンデーション教授
Robert S. Kaplan博士

 

12:20 セッション3 「改革によって、急成長と差別化を促進する」

インフォシス・テクノロジーズ社(NASDAQ上場、証券コードINFY)は、世界各地の顧客にコンサルティングやITサービスを提供し、技術主導の業務改革イニシャティブを考案・実現するパートナーとなっています。同社は1981年、わずか250米ドルの資本金で設立されたのですが、昨年度には年商30億米ドルを突破し、業界一の収益性を達成しています。2007年3月31日現在の株式時価総額は280億米ドル、従業員は世界各地に72,000名となっています。同社は工程短縮のために、リスクの低いグローバル・デリバリー・モデルを採用し、納期やコストを非常に正確に予測できる体制をとっています。この持続的成長の原動力には革新があり、売上の42%以上が、過去五年以内に開始した新サービスからのものです。本セッションでは、概念化、戦略的選択、インキュベーション、顧客やパートナーとの協力など、同社革新エンジンの主要要素に焦点を当て、戦略との整合性確保、ガバナンスの役割、業績評価アプローチなどにも触れる予定です。

インフォシス・テクノロジーズ社 (インド)
経営企画部長 アソシエート・バイス・プレジデント
Sanjay Purohit氏

 

1:05 ランチ

2:05 セッション4 「競争優位の新たな源泉」

バランスト・スコアカードは、戦略実行に向けて組織内の調整をおこない、組織を戦略実行に集中させるための強力なフレームワークです。最近では、政府や国家、さらには国家を超えた経済圏などでの利用も増えています。Tice氏より、こうした新しい利用法の展開や導入についてお話します。例えば、ブラジルでは、政府の貿易担当部門がバランスト・スコアカードを用いて、国の競争力を高める戦略を推進しています。

パラディウム・グループ
アジア太平洋地区マネージング・ディレクター
Matthew Tice氏

 

3:05 セッション5 「ボツワナ政府: 国民を結集する」

ボツワナはアフリカに位置する国家で、人口約170万人、ダイヤモンドをはじめとする天然資源に恵まれています。1966年に独立して以来、その経済は活力に満ち、アフリカ統治のモデルであると広く考えられている平和で民主的な国家となっています。ボツワナでは、国家ビジョン2016「全国民の繁栄」達成にむけて努力を重ねていますが、HIV感染問題や、経済多角化など、解決しなければならない大きな問題もあります。ビジョン2016や国家開発計画は、ボツワナ政府、そして全国民が問題に対処し、引き続き繁栄の道を歩むために策定されたものです。本セッションでは、ビジョン2016や国家開発計画を実施に移すフレームワークとして、バランスト・スコアカードが採用されるに至った経緯を知ることができます。

ボツワナ政府代表

 

 

4:05 コーヒー・ブレーク

4:25 セッション6 パネル・ディスカッション

ハーバード・ビジネス・スクール
ベーカー・ファウンデーション教授
Robert S. Kaplan博士

 

ミシガン大学
経験マーケティング教授、共創センター(Center for Experience Co-Creation)理事
Venkat Ramaswamy博士

 

城西国際大学
経営情報学部 客員教授
櫻井通晴氏

 

横浜国立大学経営大学院
管理会計学教授
エジンバラ大学客員教授
吉川武男氏

 

5:30 第2日のまとめ

パラディウム・グループ
アジア太平洋地区マネージング・ディレクター
Matthew Tice氏

 

5:45 サミット閉会

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